tera-sanのブログ

人に伝わりにくい多発性硬化症患者の想いや苦労

自分は4歳の時に急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群(川崎病)になりました。この病気が多発性硬化症のトリガーとなったのではないかと言われています。医師からはあとは本人の生命力と言われたそうです。その後、中学生の時に全身脱力で入院しましたが原因不明のままで回復しました。
20代後半で左半身の麻痺と視野欠損で入退院を繰り返し。多発性硬化症の診断を受け現在に至ります。

多発性硬化症の日常生活(寛解期)

再発のきっかけとなるものに注意


MSの再発のきっかけとして、感染症、過労、精神的ストレス、皮膚が赤くなるような過度の日焼け、喫煙、出産などが挙げられています。疲れがたまったらできるだけ休息を取るようにしてください。症状のせいで十分な睡眠がとれないような場合は、症状をやわらげられないか主治医とご相談ください。風邪が流行っている時期は特に風邪予防に努めてください。


体力・筋力を落とさないために運動を


MSでは運動に制限はありません。体力・筋力を落とさないために、そして健康維持のためにも運動が勧められています。ウォーキング、水泳、ヨガなどがお勧めです。歩けないまたは立てないという場合は、イスに座って背筋を伸ばし、両足の裏をピッタリ床に付けてその姿勢を維持、脚をその場で上下させたり開閉させたり、また足首をまわしたりするだけでも効果があります。


運動の内容は病状の程度にもよるので、主治医と話し合ってください。理学療法士に効果的な運動プログラムを教えてもらうこともできます。疲れがたまらないよう、少量の運動を毎日繰り返して続けることが大切です。


体温が上がると一時的に症状が悪くなるウートフ現象がある場合は、ご自身の具合を観察し、それに合った運動を心がけてください。速やかに体温を下げられるよう、冷たい飲み物や冷却グッズを用意しておくことをお勧めします。


適度に日光に当たろう


外で運動をすると日焼けが気になるところで、それが再発につながるのではないかと心配している人がいます。しかしビタミンDが低下傾向にあるMSでは適度に日光に当たることが勧められています。


日常生活の中で適度に日光に当たることを心がけてください。紫外線は乱反射するので、日光に直接当たらなくても、窓を開けるだけ、あるいは外で日陰にいるだけでも違います。


バランスの良い食生活を

MSでは食べ物に制限はありません。欧米ではMSの食事療法がいくつか提唱されていますが、日本はもともと食文化が違っていることもあり、国内では療法としての食事は特に勧められていません。


一方でMSは日本でも年々増えてきています。その理由として、生活のスタイルが欧米化したことによって衛生環境が良くなったから、そして食生活も変化したからだという説があります。また、塩分をとり過ぎるとMSに良くないという研究や、MSの人は思春期に太っていた人が多い、などの報告もあります。


適度な飲酒は問題ありません。飲酒している人の方がMSを発症しにくいことを報告した調査もあります。健康を害さない程度に楽しんでください。


喫煙は病気を悪化させる

喫煙はMS発症のリスクを上げるだけではなく、MSの診断後であっても病気を悪化させる報告が相次いでいます。コロナ重篤化のリスクでもあり、MSの人は禁煙してください。受動喫煙も同様です。ご家族も禁煙してください。



個人差が大きいMSでは就労も人それぞれ

MSは症状の出方も経過も個人差が大きく、どのような仕事ができるのかは人それぞれです。実際、就労しているMSの人の職種はいろいろです。MSの発症前と同じように仕事をしている人もいれば、転職した人、辞めた人もいます。フルタイムで働いている人もいればパートタイムのアルバイトの人もいます。


神経障害が残り、それが半年程度続いていれば障害者手帳を取得できるかもしれません。障害者手帳があれば障害者枠で就職できる可能性があり、また、障害者のための就労支援も利用できるようになります。


一方、いつでも働けるような体力・精神力作りや、就職に有利な資格の勉強をするなどの準備も必要です。


職場にはできることとできないことを明確に


職場にMSという自身の病名を伝えることについては、賛否両論あります。伝えることで職場に内緒にしている後ろめたさのようなものはなくなります。病状への配慮もおそらく得やすくなります。しかし伝えることで、大事な仕事が任されなくなるかもしれません。昇進に影響することもあるかもしれません。


仕事に影響を与えかねない症状が問題になっている場合は、病気のことをしっかり説明しておいた方がよいかもしれません。できることとできないことを具体的に書き出して説明してください。主治医からの意見書も時に有用ですが、病名を告げるかどうかはご自身の判断になります。


夫婦生活に制限なし

男性の性機能に障害がある場合は、シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ®)、バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ®)、タダラフィル(シアリス®)が使われます。自由診療 (自費) になりますが、使用については主治医と相談してください。