tera-sanのブログ

人に伝わりにくい多発性硬化症患者の想いや苦労

自分は4歳の時に急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群(川崎病)になりました。この病気が多発性硬化症のトリガーとなったのではないかと言われています。医師からはあとは本人の生命力と言われたそうです。その後、中学生の時に全身脱力で入院しましたが原因不明のままで回復しました。
20代後半で左半身の麻痺と視野欠損で入退院を繰り返し。多発性硬化症の診断を受け現在に至ります。

多発性硬化症と自分の症状について

MSは「多発性硬化症」という脳、脊髄、視神経の病気です。英語名は「Multiple Sclerosis」で、その頭文字から「MS(えむえす)」と呼ばれています。原因不明で根治療法がない難病です。脳、脊髄、視神経の神経線維は「ミエリン」というカバーで覆われています。MSはミエリンのあちこちを繰り返し自分で壊してしまうことによって起こります。
通常、ミエリンが壊された部分に応じた神経症状が出てきます。ミエリンの壊され方は人それぞれで違うので、症状の種類や程度は人によって様々です。自分の症状は視力障害、感覚障害、運動障害、疲労、排尿・排便障害、嚥下障害、物忘れ、高次脳機能障害などで、見た目に分かりにくいものが多いです。またこれだけの症状があると鬱にもなります。
再発予防のために、イムセラ®/ジレニア®を内服していますが、ケシンプタ®への切り替えも検討中です。T-DCS治療のための入院も定期的になりました。2~3か月に一度の入院です。いずれも進行予防がメインです。
日常生活を送るのにあまりにも支障が多いので、働くのを断念せざるを得ませんでした。
視力に関しては近くのものが全て二重になって見えるのでパソコン等は片目で打っています。ある程度離れると普通に見えるので両目でみています。運動・感覚障害に関しては右が10とすれば左半身は2程度です。疲労感が強く、排尿は自然に出てしまい、排便は下剤の強めのものと腹圧をかけて押し出すという感じです。嚥下障害に関しては、唾でも誤嚥するので、胃瘻から水分や栄養や薬を入れていますが、これに一日の大半をとられてしまいます。
準備から始まり、注入、後片付けの繰り返しです。
自分の場合は発病からもう30年ほどたっており、再発寛解を繰り返すたびに徐々に進行していきましたが、近年では予防薬も出ており進行をある程度抑えれるようになっています。
多発性硬化症に限らず、身体に異常がみられる場合には早期受診をお勧めします。本人にしかわからない症状もあるので、経験上、総合病院でも原因不明と診断されることも多いですが、症状が続くようなら、他の病院の受診も検討してください。