tera-sanのブログ

人に伝わりにくい多発性硬化症患者の想いや苦労

自分は4歳の時に急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群(川崎病)になりました。この病気が多発性硬化症のトリガーとなったのではないかと言われています。医師からはあとは本人の生命力と言われたそうです。その後、中学生の時に全身脱力で入院しましたが原因不明のままで回復しました。
20代後半で左半身の麻痺と視野欠損で入退院を繰り返し。多発性硬化症の診断を受け現在に至ります。

多発性硬化症の経過について

再発と寛解


MSの再発とは「新しい症状が出るか、あるいは、もともとあった症状が明らかに悪化して24時間以上続き、休んでも体温が下がっても回復しない」と理解されています。
再発時、また発症時はミエリンが壊れて症状が強く出ていて、このうち治療が必要な時期を「急性増悪期(きゅうせいぞうあくき)」と呼びます。それに対して、再発でも発症でもない、また後述する進行でもない時期を「寛解期(かんかいき)」といいます。


進行


MSの進行とは、はっきりした再発がない時期にも症状が重くなっていく状態をいいます。しかしMSが本当に進行しているのか、それとも別の理由で症状が悪くなっているのか、あるいはその両方なのか分からないことがあります。認知機能障害と歩行障害が進むことが1つの目安になりますが、進行の判断は時に難しいです。主治医の先生は、3カ月、6カ月、1年のスパンで観察しています。


MSの自然経過


治療しない場合の経過を「自然経過」といいます。MSの自然経過を右に示しました。一番多いのは初期のうちは再発と寛解を繰り返し、その後、10〜15年して進行期に入っていく経過です。
この経過の速さ、また再発の頻度や再発の重症度などは人によって違いますが、MSではとにかく早期診断・治療で進行期に入らせないようにすることが最も大事です。進行した症状は元に戻らないからです。



再発予防薬がなかった時代は、半数以上の人が進行期に入ってしまいました。けれども再発予防薬が数多く使えるようになった今では発病から進行期に入るまでの期間が長くなり、病状が安定して普通の生活を送っているMSの人が増えてきています。MSの長期予後は以前よりずっと良くなってきています。


経過による分類


再発と寛解を繰り返す時期にあるMSを「再発寛解型MS(RRMS)」といいます。MS患者さんの多くがこのタイプです。再発の頻度は個々人で違います。症状の重さや回復具合も再発ごとに異なります。
再発と寛解を繰り返した後、再発していない時にも徐々に症状が進行していく時期を「二次性進行型MS(SPMS)」と呼びます。また、発症した時から継続的に進行していくタイプを「一次性進行型MS(PPMS)」と呼びます。一次性進行型MSは日本では稀です。