経頭蓋直流電気刺激(tDCS)についての注意喚起
近年、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は自分で刺激できる簡易な装置が一般に販売されるようになり、スポーツや算数の成績向上に役立つという効能が謳われてきています。しかし、これらの効果は科学的な検証が十分に為されたものではなく、装置の安全性の検証も不十分です。番組では当学会のtDCSの安全性に関する提言が引用され、刺激の上限について述べられていましたが、この刺激以下の設定であれば安全であるというものではありません(臨床生理学会といわれていましたが当学会の誤りと思われます)。当学会の提言では、tDCSの安全な刺激パラメーターの範囲はまだ十分確立したものではなく、病院や研究施設の倫理委員会の承認を得てから行うものとしており、方法に精通した医師の管轄のもと科学的な検証のために行うことを前提としております。国際的な機関であるinternational federation of clinical neurophysiology (IFCN)のガイドラインでも、同様の注意勧告がされています。
以上より、マスコミの報道や機器の宣伝に影響され、危険な使用をされないように当学会では注意喚起致したいと思います。
日本臨床神経生理学会
脳刺激法に関する委員会委員長 花島律子
理事長 正門由久
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