tera-sanのブログ

人に伝わりにくい多発性硬化症患者の想いや苦労

自分は4歳の時に急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群(川崎病)になりました。この病気が多発性硬化症のトリガーとなったのではないかと言われています。医師からはあとは本人の生命力と言われたそうです。その後、中学生の時に全身脱力で入院しましたが原因不明のままで回復しました。
20代後半で左半身の麻痺と視野欠損で入退院を繰り返し。多発性硬化症の診断を受け現在に至ります。

多発性硬化症の治療と予防

多発性硬化症の治療として、再発した時の「急性増悪期の治療」、再発しないようにする「再発予防・進行抑制の治療」、そして残った症状をやわらげる「対症療法」の3つに分けられます。


急性増悪期のMSで最もよく行われるのは「ステロイドパルス療法(パルス療法)」です。通常、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール®)を1日に500〜1,000mg、3〜5日間点滴します。これを「1クール」といいます。クールとは「1つの治療期間」といった意味です。MSでは通常、パルス療法を1クール行います。効果が不十分な時にはもう1クール行うこともあります。
ステロイドパルス療法の効果が十分に得られない場合や、副作用のために大量のステロイド薬が使えない場合は、血漿浄化療法(単純血漿交換療法、二重濾過血漿分離交換療法、免疫吸着療法)が行われることがあります。例えるならば腎不全で行われる透析のような治療で、血液を体の外に取り出して機械にかけた後、体に戻します。急性増悪期にはなるべく早く受診して主治医に相談してください。ここがその後の病気の進行に大きく関わると思います。何かいつもと明らかに違うと思った際には、主治医に相談してください。


ここからが自分の時代より選択肢が増えた部分で大切なことなのですが、MSの多くは、再発と寛解を繰り返した後に徐々に症状が進行していきます。そのため再発を減らして進行期に入らせないようにすることが必要で、この目的で使われるのが再発予防・進行抑制の薬です。これらの薬を「疾患修飾薬(DMD)」といいます。
日本では2022年4月現在、下記8種類のDMDが承認されています。
自分の場合は大学病院にかかり始めてから、イムセラ(フィンゴリモド塩酸塩)を毎朝1錠胃婁より注入していますが、急激な増悪はあまりありません。薬を変えてみるかと主治医に言われた時期もありましたが、副作用が出るのは嫌だったので慣れた薬で対応することにしました。予防薬は飲み忘れのないようにしましょう。予防薬は今後の自分自身の状態を大きく左右すると言っても過言ではありません。再発を減らして進行期に入らせないようにしましょう。


MSでは、急性増悪期の治療を適切に行っても症状が充分に回復せずに残ってしまうことがあります。それがこの先良くなっていくのか、または良くならないのかは分かりません。
症状は薬で軽減できることがあります。我慢せず、薬の服用を主治医とご相談ください。